英語学習の長期戦略メモ ~質と量、セルフコーチング~
英語学習における質と量の役割分担、セルフフィードバック、オーディオブックやアウトプットなど、自分なりの長期戦略メモ
英語学習は長期戦です。
感覚的に身につけられる天才タイプの方もいるかもしれませんが、戦略を立てて学習することが長期的な成果に大きく関わると思います。
僕は天才タイプではないので、メタ認知と戦略でなんとか英語力を上げようとしています。
なぜ戦略が大事か
英語学習に限ったことではないですが、長期間で取り組むことには戦略が重要だと感じています。
目的によって学ぶことが必要なスキルも異なり、性格によってモチベーションの保ち方も変わってきます。
けれど、個人によらない共通する効果的な学習方法というものもある程度存在します。
ちまたの学習方法では、普遍的なものと個人の感想が混ざっており、客観的な正当性が怪しいものも多いです。
そのため、そういうものに流されることなく、戦略を立ててある程度計画的に進めていくほうがより結果につながると思います。
今回特に着目するのが質と量の両方が大事、という考え方です。
- 質:勉強時間の中で高める
- 量:勉強時間以外で確保する(独り言、聞き流しなど)
量を増やすには、勉強時間以外にも英語に触れて、自然と成長できる工夫が必要になります。
ただし、レベルに合わない聞き流しや「一時間かけて一言しか出ない」ような独り言はあまり効果的ではないと思います。まず勉強で土台を作り、聞き流しで深める、という順番が大事だと思っています。
質と量の議論について
「質と量、どちらが大事か」という議論は、あまり意味がないと感じています。両方大事だからです。
ただし、量だけあっても自分の中に受け取れる土台がなければ、ただ流れていくだけです。僕も昔CNNやNPRなどを聞き流していたことがありますが、当時はおそらくTOEICで400点台の力で、単語がたまに拾える程度で、英語力は全くあがりませんでした。量だけで上手くいくなら、聞き流し系で成功している人がもっといるはずです。
では質の高い勉強をし続けることが大事というと、そう言いたいわけでもありません。そんなことは現実的に不可能です。勉強以外の生活もある中、常に質の高い勉強をし続けることは無理があります。もちろん質の高さは求めたほうがいいですが、それ以外の量も大事です。それを両立するために大事だと思っているのが、大量インプットで拾える範囲を広げるための勉強が重要であるということです。
学習には理解する段階と慣れる段階が存在していて、理解していない段階ではインプットしても流れていきますが、一旦理解してしまえばあとはインプットとアウトプットを繰り返すだけです。勉強で理解の範囲を増やし、その後は気軽な大量インプットにお任せするというほうが継続しやすく、無理のない学習になりやすいと思います。
苦手をつぶす
質を高めるために最も大事なことは、苦手をつぶすことだと思っています。英語力は「単独の英語力」というものが存在するのではなく、様々な能力の組み合わせです。人によってどこが得意でどこが苦手かというのが全く異なります。苦手な部分をなくすことでボトルネックを解消すると、急激に総合的な英語力が高まることが多いです。
10数年前くらいに流行りだした英語コーチ系は、ターゲット層を文法や語彙力はそこそこ整っているが音声処理が苦手な人(日本人のそこそこ高学歴に多い)に絞り、音声に重きを置いてTOEICの単語や教材に集中トレーニングさせることで、数ヶ月で数百点点数を上げるというものが多かったように思います。逆に、そうではない課題を持つレアな人の場合は対応が難しいという問題もあったように思います。
何が苦手なのかを見極めて、それに対する適切な学びをすることが英語学習にとってはとても大事だと思います。もちろん「短所を補うよりも長所を伸ばすほうがいい」という考えもあるし、それを本人が選ぶならなんの問題もないと思います。ただ、本当は苦手なものを改善したいけどうまくいかない言い訳としている場合はもったいないかもしれません。発音も文法も語彙も完璧を目指す必要はないですが、強い苦手意識を抱えたままだと英語学習が苦しくなる可能性もあります。
僕の場合はカタカナ発音癖と緊張性発声持ちで、音声がボトルネックだと思っており、メインで取り組んでいます(発声練習と音読をし過ぎて喉痛めましたが笑)。一つ一つの英語の音をしっかり区別して聞き取れたり発音できるようにすること、楽に発声できること、自然と音を繋げられること、英語のリズムやメロディーを身につけること、を最大の課題としています。以前に言語交換でネイティブの方に発音のフィードバックをもらった時はボコボコでした笑。今年からかなり努力はしているので、少しずつでも改善できたらなあと思っています。
セルフフィードバックの重要性
学習する上でセルフフィードバックは重要です。間違えた理解やアウトプットを繰り返していると、間違いが定着(化石化)してしまいます。それを回避するためにはセルフフィードバックが大事です。そのためにも、先に述べたように「理解するフェーズ」をスキップしないようにしたいです。 英語学習において、次の3つは特に意識しておきたいです。
- 発音
- 文法
- 語彙
発音がわかっていないと何が起きるか
発音がわかっていないと、聞き流しの質も上がりにくいです。常に推測に頼らないといけなくなります。
知らない単語はそもそも全く聞き取れないし、似た音の言葉は間違えまくるという状態にもなりやすいです。なので、早めに改善したほうがいいと思っています。
日本語は音の種類が少ないのでどうしても苦労せざるを得ないわけですが、常に文脈や単語の知識に基づく推測に大きく頼らないと理解できないというのは、高い英語力を目指すには苦しいと思います。また、気軽なコミュニケーションなら問題ないですが、聞き手が理解しにくい発音で相手にストレスをかけたり誤解が生まれたりするのはあまり好ましくないと思います。
大人の発音習得について
大人からの発音習得は、時間も労力も果てしなく必要になります。どこまでを目指すのかは、ある程度考えておいたほうがいいと思います。
個人的には「日本語的なアクセントはあるけど言ってることは聞き手に無理なく正確に伝わる」くらいが、多くの日本人が目指すのにちょうど良いレベルだと思っています。そのレベルも正直かなりの努力を要するので、高い英語力を身につけたいなら「ネイティブレベルになってやる!」と思って練習して、ようやく相手にストレスなく伝わるレベルになるくらいだと思っています。とはいっても、数ヶ月集中的に練習すれば正確に伝わるレベルには到達できると思います。
子どもや若いうちなら、発音だけはしっかりと身につけておくのがよいと思います。正直、文法や語彙はあとからどうにでもなると思っています。もちろん勉強は必要ですが、音の習得は若い頃と大人になってからの習得難易度が全く違います。
自分の中に英語の指導者をつくる
文法や発音を正しく理解することは、自分の中に英語の指導者を作り上げるようなものだと思っています。自分で間違いや正しい方法がわかる、という状態です。
ただし、理解だけでは不十分で、繰り返しの練習で自動化することが重要だと思っています。
モチベーションや時間管理も大事です。Xで英語学習アカウントを作っているので、隙間時間に勉強している人たちを見ていいねをつけると、自分もモチベーションが高まります。
一方で、英語界隈のノリで優先度が低いもの(話題の書籍、炎上案件、英語教育をどうするべきか、など)は、意識的に反応を控えめにしています。興味がないわけではないのですが、そこに時間を注ぐと英語学習時間が減るからです。そういう話題に反応してしまうと似た投稿が大量に流れてきて自然と大事なことだと感じてしまいますしね。最初の段階で反応せず、アルゴリズムに不要なものを乗せないのも大事だと思います。
発音に関するフィードバックの場合
前述の通り、音声面は多くの人にとって最も難しい課題だと思います。セルフフィードバックができるようになるためには理解が必要とは言っても、音声の理解というのはぼんやりしています。なので、僕は感覚には頼らず、音声学を多少かじって個々の音素の理解や、異音(同じ音素であっても前後の環境によって実際に発音される音声が変わる現象)も理解して、意識したインプットやセルフフィードバックをしています。
それでも限界はあるので、どれだけ正しいフィードバックになるのかはわからないけど、AIに音声を投げて判断してもらったりもしています(だいたいボコボコにされます)。また、英語ネイティブの友人も少しいるので、もう少しレベルが上がったら軽く発音についてコメントをもらおうかなとも思っています。また、Praatというアプリを使って、自分の発音が周波数特性として大丈夫そうか視覚的に確認するということも試したりしました(めんどくさいので少しやっただけです)。
雑多な内容になってしまいましたが、様々な方法でより良いフィードバックが得られるようにして、間違った方法で学んでしまわないようにという意識で取り組んでいます。昔学んだ英語発音に関する内容はひどいものが多かったので...。
私の戦略 — セルフコーチング
僕は英語学習においては、セルフコーチングをしている感覚に近いです。
具体的には、次のようなことを自分でやっています。
- 自己の状況判断(能力的な得意不得意の判別)
- 目的に合わせた優先度づけ
- 学習法や教材の好みの把握
- やらないことを選ぶ
- モチベーション管理
- 学習の質と量の最大化
というと、めちゃくちゃ真面目そうに聞こえるかもしれません。
実際は、自分が楽しめて続けられることを重視しています。計画通りに勉強していないことも多いですし、しんどいことはあまりやりたくないというのが正直なところです。
量を最大化するためには、楽しめるか、自然と続けられるかが大事だと思っています。効果的な学習方法が大事であっても、やりたくなくて勉強時間が短くなったり、続けられなくなったりすると元も子もありません。そういう部分は自分が一番自分の好みや性質を理解しているので、柔軟に適用していくのが大事です。どれだけ評判の良い教材があったとしても、何かしらの理由で嫌いであれば、それはあなたには合わないものかもしれません(やり方や着目ポイントによって好きになる可能性は残していいと思います)。
量の確保 — オーディオブック中心
オーディオブック
オーディオブックは気軽に聞けるので、寝る時も寝起きも家事中も流しています。
学習教材を流すときもありますが、どうしても真面目に勉強モードになると疲れが出ます。気軽な英語にも大量に触れて、感情を伴って理解できるようにすることが大事だと感じています。
今の僕の英語力(英検準一級、TOEIC800点台くらい)ではオーディオブックはレベルが高いので、既に知っている小説の英語訳版を聞くようにしています。丁寧に内容を追うのはレベル的に難しいし、ずっと聞き流しだと気づいたら気がそれていて聞けていないこともあります。そういう場合でもすぐに戻ってこれるように、内容をある程度知っていて、少し飛んでも寝落ちしてもどこから聞いても楽しめるものを選んでいます。
海外ドラマについて
海外ドラマもありだとは思っています。状況も感じられてキャラクターの感情がわかりやすく、リアルな話し方で使い方が身につきそうに思います。
ただ、いくつかの理由であまり取り入れていません。まず、今の自分にはレベルが高くて何を言っているか聞き取れないことが多いです。細かく止めて真似をするようなやり方をすれば学べるとは思いますが、手間がかかることは続かないし、それくらい手間を掛けて学ぶなら今はドラマよりも勉強のほうが大事です。また、ストーリーが気になってしまって、英語としてはあまり理解していなくても続きが気になってしまいます笑。これは性格の問題なので、真面目に一つ一つモノマネしたり身につけられる人にはすごく良いと思います。それ以外に、ドラマは(特にアクション系は)時間の割に英語を聞く時間はそこまで長くない、というのもあります。
オーディオブックならずっと英語を聞いていられるので、そのほうが身につきやすいかな?と思っています。ここにはさほど確信はないですが、そんな気がしていて今はオーディオブックのほうが好きなので、今はオーディオブック派です。
おそらくより英語力が上がって、海外ドラマも気軽に見れて聞き取れるようになったら変わってくると思います。
オーディオブックの難しさ
オーディオブックだと表現が難しく、理解できないものが多いことです。ジャンルによっては正直さっぱりわかりません。というより、ほとんどのジャンルは現状諦めで、前述の通り気軽に聞ける知っている小説が中心です。それでも知らない表現が無限に出てくる状態で、ある程度は諦めています。作品によって語彙のレベルや分野はかなり異なるので、自分が聞き続けられるものを選ぶというのが一番大事だと思います。
小説を聞くと、試験英語では出ないような表現が大量に出てきます。わからないものが多いとモチベーションが下がるので困ったところですが、そういう知らない単語に大量に出会うことで語彙力も高めたい気持ちが上がってます。試験のために単語帳で覚えた単語が出てきたりすると嬉しくも感じます。ただの娯楽として、オーディオブックで英語の小説を楽しめるようになると、かなり強い武器になると思っています。
ちなみに、日本語の英語訳版が中心なのですが、英語学習としてはあまり理想的ではないと思っています。登場人物が日本人で先生に対して"Teacher!"と呼びかけるような場面も多いです。この辺りは日本の文化と翻訳の間でどうするか悩ましいところだと思うのですが、自然な英語を身につけるのであれば「学びたい地域で育ったネイティブによる英語」が良いんだろうなと思います。ただ、僕の場合はそのような英語を吸収できるレベルにはないので、今の時点では知っている日本語小説の英語版が中心です。
アウトプットについて
英語を身につけるうえでアウトプットの重要性は高いと思っています。多くの人はアウトプットする機会は少ないと思うので、独り言や英語日記などの機会を増やすのは良い方法だと思っています。ただ、今は自分のレベルが低いので、集中的にはしていません。
下手なアウトプットに時間をかけて間違ってばかりだと、時間を消費する割に間違った表現が定着してしまうというリスクがあります。現状では、基礎を何度も繰り返す訓練のほうが優先度が高いと感じています。
アウトプットをするときは、音声の書き起こしやタイピングしたものをAIに渡して、添削してもらうようにしています。間違ったものが定着しないようにという目的です。自分の英語が間違っていて直すべきという指摘をされるのは、ありがたいことではあるけれど自信を喪失したりダメージを受けるものでもあります。理想は添削してもらったものを覚えるくらいまでやり込むことかもしれません。ただ、続けられないと本末転倒なので、添削してもらったものは目を通すだけにすることが多いです。覚えたい表現については何度か唱えるようにしているし、やる気がある時は覚えようとしたり、少しやって諦めたりしています。
アウトプットの重要性は言うまでもないので、量は最大化したいです。そのためには、自分の思考を英語に置き換えるのが最も良いと思っています(ただしレベルは高い)。もちろん、そんなことはできない場合が多いです。日本語で真剣に考えて、素早く適切な思考をする必要があるのが普通だと思います。ただ、普段の生活での軽い思考は、レベルが高いものではない(はず)です。少しずつ英語に置き換えることで、英語で思考する量を増やしていく。スピードを上げるのも大事だと思っています。
今は英検準一級のための勉強をしていますが、そのレベルのアウトプットトレーニングをするより、より簡単な英語を素早く自然に気軽に出せるような練度を高めるトレーニングのほうがずっと大事だと感じています。本来はそういうものが身についている前提での社会問題などの議論もできるかを評価するテストなんだと思いますが、現実は日常レベルのアウトプットができないのに、レベルの高い英語のテンプレを覚えてアウトプットするという方法が一般的になってしまっているんじゃないかなと感じています。そうすると後で基礎力の足りなさによる苦労をしてしまう気がします。
まとめ
僕の英語学習の戦略は現状このような感じです。
- 質と量の両方を意識する
- 大量のインプットとアウトプットの質を高め、幅を広げるのが勉強
- 苦手をつぶす
- セルフフィードバック(発音・文法・語彙)と、自分の中の指導者づくり
- 続けられること・楽しめることを最優先
- 量はオーディオブックなどで最大化。アウトプットはレベルに合わせて段階的に
ここまで読んでいただきありがとうございます!
何か少しでも参考になれば嬉しいです。