Pochineko
英語学習ブログ英検準一級

英検準一級(SCBT)を受けてきた — 試験の振り返り

英検準一級1次試験のセクション別振り返り、学習経過、今後の方針

今日(2026年5月31日)、英検準一級1次試験を受けてきました。 中学生の頃に英検4級を受けて以来、もうずっと英検からは遠ざかっていたので、本当に久しぶりの試験体験でした。

今回は試験当日の振り返り、受験に至るまでの学習経緯、感じたこと、今後の方針など、思いつくままに書きます。

まずは全体的なまとめ

合格発表前なので確定ではありませんが、全体をまとめると「ギリギリ合格基準に達しているんじゃないかな(達していてほしい)」という感触です。

分野別に見ると:

リスニングとリーディングは大丈夫そう。
ナレーションは酷いありさまで語彙も知らないのが連続で出て不安。
要約と英作文は苦手ですが、かなりの時間を注ぎ込んだので合格基準を超えていてほしい。

過去問を解いていた時よりは出来が悪く、相性が悪かった部分もありましたが、今の自分の能力からすれば頑張ってまとめた方ではないかと思っています。


受験に至るまでの経緯

英検を受けようかなと思い始めたのは、今年に入ってからです。

今年の1月に、なんとなく英検の過去問を買って「久々に英語勉強しようかな」と思ったものの、その時はほとんど手をつけていませんでした。 その後、「英語のハノン」が良いと言う話をよく聞くのでやってみたら、教材としてのクオリティが本当に高く、音声も自分がまさにほしかったものでした。そこから基礎を身につけるトレーニングが楽しくなってきて、このまま練習すればそのうちアウトプットもできるようになるのではと思うようになりました。 また、オーディオブックにも英語のコンテンツが大量にあり、「ある程度英語力が高まったら聞いて楽しむだけでどんどん英語がわかるようになるのでは?」と思うようにもなりました。 僕は内向的な性格で誰にでも積極的に話しかけたいわけでもなくオンライン英会話なども苦手です。なので、自分の英語のレベルアップには限界があると思っていました。けれど、今は学習コンテンツが充実しレベルの高いAIが使えるようになったので、一人でも英語を高いレベルで身につけられる環境が整ったように感じています。

それでも実際に英検を受けるかどうかで結構ウジウジと悩んでいましたが、実際に申し込んで真剣に試験対策をやり始めたのは4月10日です(だいぶ後押ししてもらいました)。

10年ほど英語の勉強から遠ざかっていましたが、せっかくもう一回やるなら試験で点数を取るよりも本当に英語が身についたと思えるレベルを目指したいと思っています。イメージとしては、英語の音がわかるようになって、頭からしっかり理解し、ネイティブの人が感じているような感覚を伴って、自然な言語として英語を運用できるようになりたい、というものです。

使った教材と学習内容

今回の学習で利用した教材やコンテンツは主に以下の通りです。

  • 英検の過去問6回分(2025年度版) 週に1回分解いて、1週間復習して、次の週にまた次を解くというペース。ただ、2025年度版なので新形式の要約問題は練習量不足で本番を迎えてしまいました。

  • 単熟語EX第2版 有名な英検用の単語帳です。単語を覚えるのがすごく苦手で、英検を受けると決めてからもグダグダしてしまい、真剣にやり始めたのは試験の1ヶ月〜1ヶ月半前くらいからでした。

  • 英語のハノン(初級〜上級) 基礎の英文法を感覚に落とし込むために継続して取り組んでいました。

  • オーディオブック 中学生くらいが聞きそうな内容のライトノベルのようなものを英語で聞くなど、比較的簡単な内容の大量インプットに活用しました。

  • YouTube(発音系) 基本的なイントネーションのやり方や、発音の仕方の動画を確認して練習しました。

  • AIを用いた独り言添削 思いついたことを英語で話し、AIに内容を添削してもらい、それを音読するという練習をしていました。また、発音のチェックや音声学的な知識に基づくアドバイスももらいました。

ちなみに、英検らしい対策(リスニングの先読みのテクニックやメモ書きの練習など)はほとんどやりませんでした。テクニックを詰め込むよりも基礎力を高めるほうが大事だと思ったからです。テクニックで点数を上げるより、集中して聞いてその後のアナウンスに従って問題を解いてどれくらいいけるかの実力を知るほうが良いなと思っています。(試験の点数がどうしてもほしい場合は違うと思いますが)

語彙学習のやり方と反省

語彙の勉強に関しては、一般的に流行っている「英語を音読して、日本語を隠して意味を思い出し、高速に繰り返す」という方法はやりませんでした。

なぜかというと、日本語を挟みたくなかったからです。英語の感覚を身につけたいので、日本語の訳はあくまでイメージを掴むためのサポートにとどめ、音として聞いた時に感覚的に意味がわかるかどうかを重視しました。英語と日本語が強くリンクしてしまうと、まず日本語が思い浮かび、一段階遅れて意味を推測する回路になってしまうからです。逆に、感覚任せで想起学習にならず意味の理解があやふやになるというのはあると思いますが、今はこの方針で進めています。

また、アプリを使って例文の音声もたくさん聞くようにしました。例文を覚えてしまうと、単語自体の意味がわかっていなくても文脈で意味がわかってしまい、別の場所でその単語が出た時にわからないという現象が起きることは認識していましたが、英語だけで音から学ぶことを優先しました。

ただ、試験までの単語・熟語の学習期間があまりにも短かったため、2400という項目数を網羅するレベルには達せず、聞いてもさっぱり意味がわからないものが大量に残った状態で本番に挑むことになりました。幸か不幸か例文を覚えてしまうという現象もあまり起こらず......。 準一級になると日常生活ではあまり聞かない頻度の低い言葉や、自分の好きではない分野の言葉も混ざってくるので、「やっぱり単語は知っておいたほうがいいよね」というのが素直な反省点です。

試験当日:セクション別の振り返り

試験会場では、部屋が少し寒かったり、リスニング中に周りの人がガサゴソしている音が気になって最初の部分を聞き逃したり、自分が椅子を座り直した時に意識が逸れて心が乱れたりといった細かなトラブルはありました。 また、試験のやり方の説明時間や、一次試験免除の人が退出する時間など、結構暇でのんびりする時間が多いなと感じました。過去問を家で休憩なしの通しでやった時はすごく疲れたので、本番はセクションごとに集中を切り替えられてよかったです。

ナレーション・質疑応答(アウトプット全般)

ナレーションはかなりグダグダでひどいものでした。あまりに言葉が出てこなくてスピーキングしながら自分で笑ってしまいました。質疑応答はナレーションほど詰まりはしませんでしたが、話す分量も少なく内容的にも不十分だったかなという印象です。アウトプットがダメだった原因は、純粋にアウトプットの練習不足と、自分の現在の学習フェーズとのズレが原因だと思っています。

リスニング

日頃から音声学習を中心にし、オーディオブックで大量の英語も聞いていたおかげで、英検の音声はだいぶゆっくり丁寧ではっきりと話してくれているように感じました。音の聞き取りとしてはやりやすかったです。 パート2に関しては過去問の内容が難しく、自分の苦手な分野が来たら嫌だなと思っていましたが、思ったほどの内容の難しさではなく音も聞き取れたのでなんとかなりました。

英検準一級のリスニングで思うのは、ライティングなどに求められる文章の難しさに比べて、リスニングの音の聞き取りやすさのレベルが少し易しいなということです。パート3のリアルタイムのシチュエーションでも言葉としてはかなり聞き取りやすい英語なので、もう少し聞き取りづらいものや癖のあるもの、速いスピードのものが混ざっていてもいいのかなと思ったりもしました。試験のリスニングができてもリアルな英語がさっぱり聞き取れないというのは多くの人が経験することだと思うので、もう少し音声的な難しさを加えてもいいんじゃないかと。ただ、1回しか流れない音声を頭からしっかり理解する能力を測るという意味では悪くないと思います。

語彙問題

過去問は意外と正答率が高かったので油断していましたが、知らない問題がたくさん出ました。運が悪かったのか、本当に語彙力が足りないのか。単語帳に「まだ覚えていないチェック」が大量に残っていることを考えれば仕方ないのですが、思った以上に知らない語彙がまとめて出てかなり焦りました。 スピーキングが厳しかったのでリーディングで点数を取り返そうと思っていたのに、最初から崩れてしまってテンションがだだ下がりの状態で試験を進めることになりました。

リーディング

全く意味がわからないという文章はなかったと思います。ただ、1回読んですぐに頭に入るほどの英語力もないので、やり方としては「1段落読む→問題と選択肢を読む→もう1回その段落を読んで答える→次の段落へ進む」というスタイルで解いていきました。 いくつか見直したい問題にチェックはつけたものの、時間が足りずに見直しはできませんでした。それでも、合格基準は超えているのではないかと思っています。

ライティング(要約・英作文)

要約は完全に練習不足でした。大事そうな要素に線を引いて文を作ってみたら、指定の文字数を30語くらいオーバーしてしまい、10語くらいまでは削れたものの、そこからどうすればいいかわからなくなりました。パラフレーズもうまくできず、どの部分を削除するのがマシなのか、文の構造を変えられないかと悩んでいるうちに時間が過ぎ、おそらく要約で35分くらいかけてしまいました。

英作文の方は、テーマとしては書きにくいものではありませんでしたが、キーポイントが選びにくかったです。最初に思いついた結論が2つとも同じになってしまい「あかんあかん」と書き直したりして悩みました。でも途中で「そんなに自分が納得できる内容にする必要はないから、文章としての体裁を整えることに注力しなければ」と気づき、そこから無理やり構造を構築して書き上げました。

要約と英作文で合計55分というとてつもない時間を使い、見直す余裕も全くなかったので、文法やスペルの基本的なミスは残っているはずです。ただ、自分の今のアウトプット能力からすれば、なんとか頑張ってまとめた方だとは思っています。

アウトプットに対する違和感と「段階を飛ばしている」感覚

アウトプット系(ナレーション、質疑応答、ライティング)に関しては、ある程度「型」やテンプレートを覚えて丸暗記すれば、実力以上の点数を叩き出すことはできたと思います。 ただ、それをやる気が起きませんでした。

今は「英語のハノン初級」などで、基礎の英文法を感覚に落とし込む練習をしています。その基礎力がまだついていない段階でよりレベルの高い文章の丸暗記をしても、文法の知識や感覚と紐付かず応用が利かないのではないかと思っています。

本来の学習のステップとしては、英検二級レベルまでの基本的な英文法を身につけ、日常的な会話がある程度できるようになってから、準一級レベルの「しっかりと自分の考えを論理的に述べる」「難しい語彙を使いこなす」といった能力へ拡張していくのが自然な姿だと思っています。

さすがに試験を受けるのに対策しなさすぎたなと反省してはいますが、学習段階を考えると方針としてはそこまで間違っていないかなと思っています。

音声中心の学習と「音読」への考え

今年に入って英語学習を再開した際、昔の勉強法への反省がありました。昔は内容を理解するために日本語に翻訳して解読するとか、TOEICの点数を取るとか、仕事に必要なことをやるといった目標達成にフォーカスしすぎて、基本的な英語の感覚や発音がおろそかになっていました。
なので今回は、基礎の基礎からやり直し、発音を一つ一つの音素から見直し、発声自体も整えようとしています。発声自体は英語とは直接の関係は薄いと思いますが、緊張発声タイプですぐに喉がしんどくなってしまうため、せっかくなので同時に改善を目指しています。

ただ、発音や発声に力を入れすぎた結果、4月末に喉を痛めてしまい、そこからしばらく声を出せない時期が続きました。 その間はひたすら耳からのインプットに集中し、ハノンをやる時も声は出さずに頭の中で黙読・リピートするという学習をしていました。

これが結果的に良かった面もあると思っています。 世間では音読が推奨されているしそこそこ正しいとは思っていますが、少しリスキーな面もあると考えています。特に発音や発声に悪い癖がついてしまった人や発音を根本から改善しようとしている段階の人には少し危うい面もあります。 すでに発音が完成している人ならいいのですが、そうでない人が音読をすると、自分にすでに身についている間違った癖で声を出すことになり、その癖が強化されて口の動きが固まってしまいます。さらに、せっかくリスニングで正しい音を認識できるようになっても、自分の出す中途半端な発音を聞くことで、頭の中の音の認知までごっちゃになって悪影響が出ると考えています。

また、「口から出せない音は聞き取れない、だから口から出せるようにすれば聞き取れる」という言葉に対しても、わかりやすくて刺さるとは思うのですが、100%正しいとは思っていません。口から出せても聞き取れないことはよくあるし、早口言葉のように、聞き取れるけれど口からは出せないという例もあります。もちろん、正しく音が出せる方が音の認識の向上にも役立つのは間違いないと思っています。

話は戻りますが、頭の中での音の認知をより正確にするというのが最も重要で、それを口から生成することができるのが理想だと思います。 声を出せない時期に完全に音声に集中したことで、逆に音の認識が改善し、より丁寧に発音しようという意識が芽生えました。

TOEICと英検のリスニングの違い

これまで様々な試験を受けてきた中で、今回の英検準一級が一番リスニングでしんどい思いをしませんでした。 TOEICだと色々な国のアクセントが混ざっていて、毎回「何言ってるかわからないけど多分これだよね」という感じで選んでいたのですが、英検はそういうものがなく、標準アメリカ英語っぽいわかりやすい発音が多くて安定感がありました。

今、発音の基礎を整えようとしている私にとって、色々な音が混ざることなく「この音はこういう音だよね」と確認しながら聞ける英検の教材は本当にありがたかったです。
これからTOEICの勉強もしていく予定ですが、イギリスやオーストラリアのアクセントを細かく聞き取ろうとしたり真似しようしたりとすると、音の認識で混乱してしまいそうに思います。なので、聞く英語の比率はアメリカ英語を8割くらいにして自分の発音を身につけ、他のアクセントは「言っていることが理解できればOK」くらいのスタンスで取り組もうと思っています。

今後の方針

英検準一級が終わったので、合格しているかどうかはわかりませんが、今後も基礎を固める方向性でいこうと思います。

  1. 英語のハノンで基本的な文法の基礎をしっかり身につける。
  2. 日常的なことを自分でアウトプットする機会を作り、それをAIに添削してもらい、言えるようにする。
  3. その後に、自分の意見を論理的に整理して話せるようにする(英検準一級で求められていたレベル)。
  4. 英検が終わったので、喉の様子を見つつ発音・発声の改善への取り組みを増やす。
  5. TOEICは今年度中に2回くらい受ける予定ですが、ビジネス系の英語に慣れる程度にし、ガッツリとしたテクニック対策や傾向分析はしない。
  6. アウトプットを伸ばすための目標として、TOEIC SWにするかVersantにするかなど、何かしらの試験の活用は後で考える。

いつかは英検一級にも手を出したいと思っていますが、それは基礎力が整ってからにしようと思います。来年や再来年に挑戦できたらと思いますが、自分の成長具合を見て判断しようと思います。今から目指すと基礎を疎かにすることになってしまうので、しばらくは避けようと思います。

おわりに

試験の点数にこだわった勉強はあまり好きではないのですが、「試験を受けるぞ」と決めることで、普段ならやらないような学習に取り組むことができ、語彙力も(少しは)増え、様々な課題を再認識することもできました。適度なプレッシャーがかかることで学習効率も上がるので、やはり試験を受ける意味は大きいなと感じています。

大人になってからの英語学習は子どもの頃や若い頃からの学習とは大きく異なります。もちろん大量に学習をすることは必須なのですが、明示的な正しい理解に基づいたアプローチをして悪い癖を減らしていくことが大きなブレイクスルーになります。英語が流暢な人は特に若い世代で増えてきていますが、大人になってから英語力を高めるというのはとても難しいことだと思います。そういう稀有な例になれることを目指して、これからも長期的な目線で、レベルの高い自然な英語力を目指して、基礎からの学習を続けていこうと思います。