最強の英語勉強法を見つける旅~目的と課題に合わせた学習の組み合わせ方
短期間でペラペラになる魔法の学習法は存在しない。目的に合わせた練習法の選び方、自分の苦手の見つけ方、そしてバランスの良い学習の組み合わせ方についての考えをまとめました。
これは英語の学習法について、私が普段から考えていることのメモです。
SNSなどを見ていると、「どんな学習法がいいよ」「これが最強の勉強法だ」「短期間でペラペラになる」「日本人が英語ができないのはこれのせいだ」など、色々なことが言われています。
でも、まず最初に言っておきたいのは、「一つの方法で短期間で夢のように問題を解決できる魔法なんて基本的にはないと思った方がいい」ということです。
仕事で自由に使いこなしたいとか、ペラペラになりたいとか、高いレベルの外国語を短期間で習得できた例を私は見たことはないし、おそらく無理なんじゃないかなというのが大前提です。
じゃあその上でどうしたらいいか?ということについて、私が思っていることを整理してみたいと思います。
「何が良い勉強法か」は目的とやり方次第
学習法の議論をする時に、何を目的にしているかという前提がないとあまり意味がないと思っています。
言語の習得にはさまざまなスキルが存在します。「何を伸ばしたいから何をする」という大前提がないと、どの練習をするのが良いかという手法だけを語っても、それはただの押し付けになってしまいます。
一つの学習方法をとっても、取り組み方によって得られる効果は全く異なります。
例えば「音読」をするにしても、色々な意識の向け方があります。
- 音をイメージして、できるだけ丁寧に読もうとする
- 意味とのつながりを意識して、前から順番に理解しようとする
- 文の構造を把握しながら構造理解に努める
- 伝わるレベルの発音を維持しつつ、できるだけ速く読む
何を目的として練習しているかによって効果は変わります。
極端な話、何も考えず、発音も正しくない状態で単語をただ読み上げるような「作業的な音読」をやっていたら、おそらく他の人とは全く違う、学習効果の低いものになってしまうでしょう。
「音読がいいよ」と言われたとしても、それにどう取り組むのかが大事なんだと思います。
さらに、自分のレベルによってもできることは変わります。発音がうまくできている人なら音読で幅広い練習ができますが、初心者の場合はそもそも音読が発音の練習にはなりにくい、といったことも存在します。
苦手をどう見つけるか
自分が何を練習すべきかを知るためには、「何が足りていないのか(ボトルネックはどこか)」を把握して、そこへアプローチしていくことが大切です。
スポーツでも何でも、とにかく何も考えずに繰り返すだけだと、基本的には苦手なところは苦手なままになってしまいます。
ただ、自分で苦手を判別するのは結構難しいところです。
試験を受けてみたり、色々な問題集を解いたり、スピーキングをしてみたり、自分なりの指標(文法、語彙力、話す速度、得意・苦手な話題など)で分析・判断してみるのもいいと思います。
今はAIに判断してもらうのもありですね。
目に見えにくい感覚的な苦手の発見
苦手の発見でより難しいのが、目に見えない苦手さです。
単語の意味を知っているかどうかは客観的に判断できても、感覚的な捉え方や音の認識の仕方などは、自分が「本来の(ネイティブの)感覚とは違う」ということに気づきにくい部分です。
ここをどれだけ見つけていけるかが、自然で高いレベルの英語力へ持っていくために大事なポイントだと思っています。
例えば、発音の音の連結(リエゾンなど)を、カタカナのルールとして「この場合は合体してこんな音になる」と覚えてやろうとすると、似たような音は出せても、ネイティブが自然に滑らかに発音した結果として繋がっているのとは、労力もやり方も違って不自然になります。
自分が「どう頑張ってもあんなに自然にできるようになる気がしないぞ」と感じたなら、「そもそも何かやり方が間違ってるんじゃないかな?」と考えて、自然にできる方法を試行錯誤していくのが良いと思います。
自分で答えが見つからなければ検索したりAIに聞いたりするのも良いですが、AIも常に正しいとは限らないし、言語化されたものを自分が間違って受け取る可能性もあるので、信じすぎないことも大事です。
バランスよく苦手をなくす
私は、基本的には「苦手なところはないようにしていく(苦手をなくす)」のが良いと思っています。
苦手な部分があるがゆえに、別の代替手段を使って無理やり英語を運用しようとすると、逆に労力がかかってしまいます。苦手をなくしながら進めたほうが、最終的に身につく英語力は「楽に運用できるもの」になっていくんじゃないかなと。
もちろん、色々な練習方法がある中で、自分が好きなものを選んで組み合わせていけばいいと思います。
ただ、だからといって「リスニングは絶対にしません」「文法はもう何も勉強しません」と極端になってしまうと、総合的な英語力の習得を阻害してしまうので、極端に偏らないバランスは必要です。
学習法探しの沼に注意
伸び悩んだりブレイクスルーを求める時、「何か奇跡的な解決策はないか」と学習法をめちゃくちゃ探してしまいがちです。私自身、これまでに学習法全般、英語学習法、速読、脳科学、心理学、第二言語習得研究、音声学、コーチング、モチベーションなど色々なことを調べたりしてきました。(専門で学んだわけではないので興味がある範囲でです)
私自身は英語力を伸ばしたいという以前に人間の学習の仕組みや心理などを知りたいタイプなので問題ないのですが、それらを学ぶにはかなりの時間を費やしてきました。それらの知識を自分の英語力を伸ばすために活用するのを楽しんではいますが、英語力を伸ばしたい人がこれらのことを新たに学ぶのは、時間がかかりすぎて現実的ではないと思っています。
英語力を伸ばすためには、学習方法を調べまくることに時間をかけてしまうよりは、苦手なことに効きそうなことをとにかく大量にやることの方が大事なのではないかなと思います。
練習方法を目的別に組み合わせる
色々な練習方法には、それぞれ「集中しやすい頭の使い方(アプローチ)」があると思っています。
- リスニング:とにかく音を捉える
- スピーキング:無理やり言葉を紡ぎ出そうとする
- オーバーラッピング:リズムが合っているか確認する
- 音読:文字を音声化し、意味が理解できているか確認する
「自分がこの練習をしている時はこういう頭の使い方をしているな」とある程度把握しておいて、足りない要素がなくなるように複数の勉強法を組み合わせるのがいいと思います。
上級者の方には例えば「音読」や「ネイティブの真似」という一つのトレーニングの中で、発音も意味も文法もすべて同時に意識できる人もいます。それができればすごい効果が出るんでしょうが、少なくとも私にはまだ無理です。
だから、私は目的ごとにやり方を分けています。
- 音に集中する時は「リスニング」
- 構造を頭に留められているか確認する時は「リプロダクション」
- リズムやイントネーションを捉える時は「リピーティング」「オーバーラッピング」「シャドーイング」
- シャドーイングの中でも、意味をイメージする「コンテンツシャドーイング」と音声に集中する「プロソディシャドーイング」を分ける
- 細かい部分が聞き取れているか確認するために「ディクテーション」を組み合わせる
また、アウトプット練習も、流暢性を高めることを目指してどんどんしゃべって間違えても気にせず終わらせるのではでなく、ライティングも行って自分が書いたものが文法的に正しいかを確認することで、自分の中から出てくる言葉の癖や間違えやすいポイントを把握しやすくなります。
結論としては「どの勉強法が良いかは大事ではなく、自分の得意・不得意を把握し、色々な練習方法を組み合わせながらバランスよく取り組む」というのが多くの場合ちょうどいいんじゃないかなと思っています。
最大効率で身につけられるわけでもないだろうけれど、大きな失敗もなく伸び悩むこともなく学べる可能性が高いんじゃないかなと思います。
最後に
細かくなりすぎないように書いたので伝えきれていない部分も多いですが、ざっくりと伝えたかったことをまとめました。
こうやって学習方法を真面目に考えているわりには、今のところは英語力自体はまだまだな状態で説得力はないです。
この考え方で学習を進めていって、実際に結果が出せればN=1ではありますが、学習の考え方としては悪くないのかなと思います。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
何か参考になれば幸いです。