Pochineko
🔄 2026年5月10日更新

英語発音リファレンス(GA音素と異音)

General American基準の音素と異音の参照・練習用。

英語発音リファレンス(基本の音と実際の変化)

1. 頭の中の音(音素)と実際の音(異音)

このページは、英語の発音を「頭の中のイメージ(音素)」と「実際に口から出る音(異音)」の両方で整理したものです。

  • 音素 / / 「この音を出そう」と思っている基本の音(辞書の発音記号)。
  • 異音 [ ] 前後の音の環境や、英語特有の発音の習慣によって、実際に物理的に作られた音。同じ /t/ という音素でも、周りの音によって「強く息を吐く音」になったり「舌を弾く音」になったりと、複数の異なる物理的な音として実現されます。

2. 音が変化する2つの理由

音が変化する理由は、大きく分けて以下の2つがあります。この2つを区別することが大切です。

① 物理的な「口の準備動作」によるもの 言葉を話すとき、音を1つずつ切り離して出しているわけではなく、今の音を出しながらすでに次の音の準備をしています。

  • 前の音の影響: 後ろに「唇を丸める音」が来ると分かっていると、前の音の時点で無意識に唇が丸まります。
  • 舌の位置のズレ: 後ろに「舌を前に出す母音」が来るか「奥に引く母音」が来るかで、子音を発音する際の舌の当たる位置が前後にずれます。

② 英語という言語特有の「クセ・規則」 口の構造上そうなるわけではなく、「英語を話す人々が無意識に守っている発音の習慣・規則」です。他の言語では、同じ並びでもこの変化は起きません。

  • (例)強く読まれる場所ではピュッと強く息を吐き出す。
  • (例)母音に挟まれた td は、舌を軽く弾く動作になる。

3. 音素の一覧と、口の中の作られ方

母音の分類

  • 前の方で作る母音: /i, ɪ, ɛ, æ/
  • 真ん中付近で作る母音: /ʌ, ə, ɝ, ɚ/
  • 奥の方で作る母音: /u, ʊ, ɔ, ɑ/
  • 2つの音が連続する母音(二重母音): /eɪ, oʊ, aɪ, aʊ, ɔɪ/

子音が作られる場所(調音表)

音の出し方 \ 作る場所下唇+上の歯歯の裏歯のすぐ裏の歯茎歯茎より少し奥上あご(硬い所)口の奥(柔らかい所)喉(声帯)
息をせき止めて破裂/p, b//t, d//k, g/
破裂させてから摩擦/tʃ, dʒ/
隙間から息をこする/f, v//θ, ð//s, z//ʃ, ʒ//h/
鼻から息を抜く/m//n//ŋ/
舌や唇を近づける/w/*/l, ɹ//j/(/w/)*
(※ /w/ は唇を丸めつつ、同時に口の奥の方も狭くして作る音です)

4. 母音の変化リファレンス

/i/

  • 【基本】舌を前の方に高く上げて出す音: [i] ~ [iː]
    • be /bi/ -> [biː]
    • sea /si/ -> [siː]
    • key /ki/ -> [kʰiː]
    • she /ʃi/ -> [ʃiː]
    • tea /ti/ -> [tʰiː]
  • 【変化】後ろに「暗いL」が続くとき: 単語の最後などで舌が後ろに引かれる [ɫ] が続くと、舌の移動によって間に「あいまいな音」が挟まって聞こえます [iəɫ]
    • feel /fil/ -> [fiəɫ]
    • meal /mil/ -> [miəɫ]
    • deal /dil/ -> [diəɫ]
    • real /ɹil/ -> [ɹiəɫ]
    • steal /stil/ -> [stiəɫ]

/ɪ/

  • 【基本】/i/ よりも少しだけ口をリラックスさせて出す音: [ɪ]
    • bit /bɪt/ -> [bɪt̚]
    • sit /sɪt/ -> [sɪt̚]
    • hit /hɪt/ -> [hɪt̚]
    • dip /dɪp/ -> [dɪp̚]
    • pick /pɪk/ -> [pʰɪk̚]
  • 【変化】鼻に抜ける音(m, n, ng)の前: 次に来る鼻の音の準備として、母音を出している最中からすでに息が鼻に抜けます(鼻音化 [ɪ̃])。
    • him /hɪm/ -> [hɪ̃m]
    • sing /sɪŋ/ -> [sɪ̃ŋ]
    • win /wɪn/ -> [wɪ̃n]
    • pin /pɪn/ -> [pʰɪ̃n]
    • limb /lɪm/ -> [lɪ̃m]

/eɪ/

  • 【基本】2つの音が連続する二重母音: [eɪ]
    • day /deɪ/ -> [deɪ]
    • take /teɪk/ -> [tʰeɪk̚]
    • say /seɪ/ -> [seɪ]
    • make /meɪk/ -> [meɪk̚]
    • face /feɪs/ -> [feɪs]
  • 【変化】後ろに「暗いL」が続くとき: 舌の動きが制限されるため、後半の ɪ の響きが弱くなり、あいまいな音へと向かいます [eəɫ]
    • sale /seɪl/ -> [seəɫ]
    • fail /feɪl/ -> [feəɫ]
    • tail /teɪl/ -> [tʰeəɫ]
    • mail /meɪl/ -> [meəɫ]
    • pale /peɪl/ -> [pʰeəɫ]

/æ/

  • 【基本】あごを下げて口を広く開け、舌を前に出して出す音: [æ]
    • cat /kæt/ -> [kʰæt̚]
    • map /mæp/ -> [mæp̚]
    • back /bæk/ -> [bæk̚]
    • tap /tæp/ -> [tʰæp̚]
    • sad /sæd/ -> [sæd̚]
  • 【変化】鼻に抜ける音(m, n)の前: 舌の位置が少し高くなり、引き伸ばされたような音になります。また、息が鼻にも抜けます [eə̃]
    • can /kæn/ -> [kʰeə̃n]
    • man /mæn/ -> [meə̃n]
    • ham /hæm/ -> [heə̃m]
    • pan /pæn/ -> [pʰeə̃n]
    • jam /dʒæm/ -> [dʒeə̃m]
  • 【変化】舌の奥を上げる鼻の音(ng)の前: 舌の奥が高く持ち上がる影響で、発音する途中で別の音への移行音が挟まり、結果的に二重母音のように変化します [eɪ] ~ [ɛɪ]
    • sang /sæŋ/ -> [seɪŋ]
    • bang /bæŋ/ -> [beɪŋ]
    • hang /hæŋ/ -> [heɪŋ]
    • rang /ɹæŋ/ -> [ɹeɪŋ]
    • fang /fæŋ/ -> [feɪŋ]

/ʌ//ə/

現代のアメリカ英語では、どちらも「口の真ん中付近で作る短い音」であり、舌の位置の決定的な違いは減ってきています。主な違いは「強く読まれるか(長めではっきりするか)、弱く読まれるか」にあります。

  • /ʌ/ 【基本】強く読まれる場所の音: [ʌ] ~ [ɐ]
    • cut /kʌt/ -> [kʰʌt̚]
    • bus /bʌs/ -> [bʌs]
    • cup /kʌp/ -> [kʰʌp̚]
    • but /bʌt/ -> [bʌt̚]
    • nut /nʌt/ -> [nʌt̚]
  • /ə/ 【基本】弱く読まれる場所の音(あいまい母音): [ə]
    • about /əˈbaʊt/ -> [əˈbʌʊt̚]
    • support /səˈpɔɹt/ -> [səˈpʰɔɹt̚]
    • asleep /əˈslip/ -> [əˈslip̚]
    • machine /məˈʃin/ -> [məˈʃiːn]
    • polite /pəˈlaɪt/ -> [pʰəˈlʌɪt̚]
  • /ə/ 【変化】特定の環境で舌の位置が少し上がる: ts など歯茎付近で作る子音に挟まれた弱い音節では、舌の位置が少し上がり [ɪ] に近い響きになります [ɨ]
    • roses /ˈɹoʊzəz/ -> [ˈɹoʊzɨz]
    • wanted /ˈwɑntəd/ -> [ˈwɑɾ̃ɨd]
    • buses /ˈbʌsəz/ -> [ˈbʌsɨz]
    • valid /ˈvæləd/ -> [ˈvælɨd̚]
    • horses /ˈhɔɹsəz/ -> [ˈhɔɹsɨz]

/u/

  • 【基本】舌の位置が前の方に移動する: 本来は舌を後ろに引く音ですが、現代のアメリカ英語では舌が口の真ん中〜前の方に出た状態で発音されるのが一般的です [ʉ] ~ [u̟]
    • do /du/ -> [dʉː]
    • too /tu/ -> [tʰʉː]
    • shoe /ʃu/ -> [ʃʉː]
    • food /fud/ -> [fʉd̚]
    • moon /mun/ -> [mʉ̃ːn]
  • 【変化】舌が奥に維持される: 後ろに「暗いL」が続くときや、唇を使う音に挟まれているときは、舌が前へ出ることが物理的に邪魔されるため、舌の奥の方で作る位置が保たれます [u̠ɫ] ~ [ʊəɫ]
    • pool /pul/ -> [pʰu̠ɫ]
    • cool /kul/ -> [kʰu̠ɫ]
    • tool /tul/ -> [tʰu̠ɫ]
    • fool /ful/ -> [fu̠ɫ]
    • school /skul/ -> [sku̠ɫ]

/aɪ/

  • 【基本】口を広く開けた状態から狭くする二重母音: [aɪ] ~ [a̠ɪ]
    • time /taɪm/ -> [tʰaɪm]
    • hide /haɪd/ -> [haɪd̚]
    • ride /ɹaɪd/ -> [ɹaɪd̚]
    • five /faɪv/ -> [faɪv]
    • wide /waɪd/ -> [waɪd̚]
  • 【変化】濁らない子音(無声音)の前での変化: p, t, k, s などの前では、二重母音のスタート位置が高くなり、少しこもったような響きから始まります [ʌɪ] ~ [əɪ]
    • write /ɹaɪt/ -> [ɹʌɪt̚]
    • ice /aɪs/ -> [ʌɪs]
    • white /waɪt/ -> [wʌɪt̚]
    • price /pɹaɪs/ -> [pʰɹʌɪs]
    • like /laɪk/ -> [lʌɪk̚]

/aʊ/

  • 【基本】口を広く開けた状態から唇を丸める二重母音: [aʊ] ~ [ɑʊ]
    • now /naʊ/ -> [naʊ]
    • loud /laʊd/ -> [laʊd̚]
    • proud /pɹaʊd/ -> [pʰɹaʊd̚]
    • cow /kaʊ/ -> [kʰaʊ]
    • how /haʊ/ -> [haʊ]
  • 【変化】濁らない子音(無声音)の前での変化: 先ほどと同様に、二重母音のスタート位置が高くなります [ʌʊ] ~ [əʊ]
    • out /aʊt/ -> [ʌʊt̚]
    • house (名詞) /haʊs/ -> [hʌʊs]
    • about /əˈbaʊt/ -> [əˈbʌʊt̚]
    • mouth (名詞) /maʊθ/ -> [mʌʊθ]
    • shout /ʃaʊt/ -> [ʃʌʊt̚]
  • 【地域的な傾向】始まりの音がより「前」に出る: 現代のアメリカ英語の多くの地域で、スタートの音が少し前の方([æ]の方向)に移動する傾向があります [æʊ] ~ [ɛʊ]
    • down /daʊn/ -> [dæʊ̃n]
    • town /taʊn/ -> [tʰæʊ̃n]
    • brown /bɹaʊn/ -> [bɹæʊ̃n]
    • sound /saʊnd/ -> [sæʊ̃nd̚]
    • count /kaʊnt/ -> [kʰæʊ̃nt̚]

5. 子音の変化リファレンス

/p, t, k/ (息をせき止めて破裂させる音)

  • 【基本】強く息を吐き出す: 単語の最初や、強く読まれる場所では、ピュッと強く息を吐き出します [pʰ, tʰ, kʰ]
    • pen /pɛn/ -> [pʰɛn]
    • cat /kæt/ -> [kʰæt̚]
    • top /tɑp/ -> [tʰɑp̚]
    • key /ki/ -> [kʰiː]
    • pie /paɪ/ -> [pʰaɪ]
  • 【変化】息の強さが弱くなる: 同一の音節内で /s/ のすぐ後ろに来たときは、この強い息の放出が起こりません [p, t, k]
    • spin /spɪn/ -> [spɪn]
    • stop /stɑp/ -> [stɑp̚]
    • sky /skaɪ/ -> [skaɪ]
    • spot /spɑt/ -> [spɑt̚]
    • skin /skɪn/ -> [skɪn]
  • 【変化】息を止めて終わる(無開放): 単語の最後や、別の子音の直前では、口の中で閉鎖の形を作ったまま息を解放せずに終わります [p̚, t̚, k̚]。無理に母音の響きを足さないことが重要です。
    • laptop /ˈlæpˌtɑp/ -> [ˈlæp̚ˌtʰɑp̚]
    • hot dog /ˈhɑt ˌdɔg/ -> [ˈhɑt̚ ˌdɔg̚]
    • stop /stɑp/ -> [stɑp̚]
    • cat /kæt/ -> [kʰæt̚]
    • back /bæk/ -> [bæk̚]

/t, d/ が示す特殊な変化

  • 【変化】舌を一瞬だけ弾く(弾き音 [ɾ]: /t, d/ が母音(または r の音)と弱く読まれる母音の間に位置する場合、舌先が上あごを一瞬だけ軽く弾くように触れる音になります。息の破裂を伴わないため、滑らかな響きになります。
    • water /ˈwɑtɚ/ -> [ˈwɑɾɚ]
    • ladder /ˈlædɚ/ -> [ˈlæɾɚ]
    • city /ˈsɪti/ -> [ˈsɪɾi]
    • better /ˈbɛtɚ/ -> [ˈbɛɾɚ]
    • butter /ˈbʌtɚ/ -> [ˈbʌɾɚ]
  • 【変化】喉で「ッ」と息をせき止める(声門破裂音 [ʔ]: /t/ の直後に鼻の音 /n/ が続く場合、舌を上あごにつけたまま、喉の奥(声帯)を閉じて息をせき止める音になります。
    • button /ˈbʌtən/ -> [ˈbʌʔn̩]
    • kitten /ˈkɪtən/ -> [ˈkɪʔn̩]
    • mountain /ˈmaʊntən/ -> [ˈmæʊ̃nʔn̩]
    • certain /ˈsɝtən/ -> [ˈsɝʔn̩]
    • cotton /ˈkɑtən/ -> [ˈkʰɑʔn̩]
  • 【変化】鼻から息を「フッ」と抜く(鼻腔開放 [dⁿ]: 有声音の /d/ の直後に /n/ が続く場合、喉は閉じず、舌を上あごにつけたまま鼻の通り道を開いて、鼻から息を解放します。
    • sudden /ˈsʌdən/ -> [ˈsʌdⁿn̩]
    • hidden /ˈhɪdən/ -> [ˈhɪdⁿn̩]
    • wooden /ˈwʊdən/ -> [ˈwʊdⁿn̩]
    • sadden /ˈsædən/ -> [ˈsædⁿn̩]
    • ridden /ˈɹɪdən/ -> [ˈɹɪdⁿn̩]

/l/ (舌の側面から息を通す音)

  • 【基本】クリアな響き(Clear L): 母音の前に来る l は、舌先を歯茎につけて、スッキリと響かせる音になります [l]
    • light /laɪt/ -> [laɪt̚]
    • leaf /lif/ -> [lif]
    • lip /lɪp/ -> [lɪp̚]
    • look /lʊk/ -> [lʊk̚]
    • let /lɛt/ -> [lɛt̚]
  • 【変化】暗い響き(Dark L): 単語の最後や、子音の前に来る l は、舌の奥が口の奥(軟口蓋)に向かって持ち上がり、暗くこもった響きを伴います [ɫ]
    • feel /fil/ -> [fiəɫ]
    • milk /mɪlk/ -> [mɪɫk̚]
    • help /hɛlp/ -> [hɛɫp̚]
    • cold /koʊld/ -> [kʰoʊɫd̚]
    • tall /tɑl/ -> [tʰɑɫ]

/n/ (歯茎に舌をつけて鼻から息を抜く音)

  • 【基本】: [n]
    • net /nɛt/ -> [nɛt̚]
    • snow /snoʊ/ -> [snoʊ]
    • nose /noʊz/ -> [noʊz]
    • note /noʊt/ -> [noʊt̚]
    • snap /snæp/ -> [snæp̚]
  • 【変化】前の母音が鼻にかかる: 母音の直後に /n//m/ が来ると、次の鼻の音の準備として、母音を言い終わる前から息が鼻に抜け始めます。
    • run /ɹʌn/ -> [ɹʌ̃n]
    • ten /tɛn/ -> [tʰɛ̃n]
    • sun /sʌn/ -> [sʌ̃n]
    • fan /fæn/ -> [fæ̃n]
    • pen /pɛn/ -> [pʰɛ̃n]
  • 【変化】舌が歯の裏に移動する: 歯を摩擦する音 /θ, ð/ の直前では、舌を当てる位置が少し前方に移動し、上の歯の裏に触れます [n̪]
    • tenth /tɛnθ/ -> [tʰɛ̃n̪θ]
    • month /mʌnθ/ -> [mʌ̃n̪θ]
    • ninth /naɪnθ/ -> [nʌɪ̃n̪θ]
    • seventh /ˈsɛvənθ/ -> [ˈsɛvə̃n̪θ]
    • panther /ˈpænθɚ/ -> [ˈpʰæ̃n̪θɚ]

/j, w, ɹ/ (舌や唇を近づけて作る音)

  • 【基本】声帯を震わせる有声音: [j, w, ɹ]
    • yes /jɛs/ -> [jɛs]
    • red /ɹɛd/ -> [ɹɛd̚]
    • wet /wɛt/ -> [wɛt̚]
    • yellow /ˈjɛloʊ/ -> [ˈjɛloʊ]
    • run /ɹʌn/ -> [ɹʌ̃n]
  • 【変化】強い息がかかって濁りが消える(無声化): 強く読まれる音節で、無声の強い破裂音 /p, t, k/ の直後に来た場合、その強い息が被るため、本来あるはずの声帯の振動(濁り)が消えて息の音だけになります [j̊, w̥, ɹ̥]
    • pure /pjʊɚ/ -> [pʰj̊ʊɚ]
    • twin /twɪn/ -> [tʰw̥ɪ̃n]
    • tree /tɹi/ -> [tʰɹ̥iː]
    • quick /kwɪk/ -> [kʰw̥ɪk̚]
    • cry /kɹaɪ/ -> [kʰɹ̥aɪ]

6. 単語がつながった時の変化(Connected Speech)

単語の境界を越えて連続する際にも、口の物理的な準備動作や規則によって音が変化します。

  • 同化(音が融合する現象)
    • 語末の t, d, s, z と、次の語頭の y(硬口蓋への接近音 /j/)が連続すると、お互いの調音位置が歩み寄り、結果として別の摩擦を伴う音([tʃ][dʒ])になります。
    • meet you /mit ju/ -> [miːtʃu]
    • did you /dɪd ju/ -> [dɪdʒu]
    • want you /wɑnt ju/ -> [wɑn(t)ʃu]
    • got you /gɑt ju/ -> [gɑtʃu]
    • would you /wʊd ju/ -> [wʊdʒu]
  • 子音群の削減(音が省略される現象)
    • 3つ以上の子音が連続する環境では、真ん中の閉鎖音(特に t, d)を発音するための舌の動作が省略される傾向があります。
    • next day /nɛkst deɪ/ -> [nɛks deɪ]
    • friendship /fɹɛndʃɪp/ -> [fɹɛ̃nʃɪp̚]
    • exactly /ɪgˈzæktli/ -> [ɪgˈzækli]
    • hands /hændz/ -> [hæ̃nz]
    • postman /ˈpoʊstmən/ -> [ˈpʰoʊsmən]

7. 記号(ダイアクリティクス)の読み方ガイド

実際の物理的な音を表すカッコ [ ] の中で使われる、細かな記号の意味です。

  • [ ̃ ] 鼻音化: 口だけでなく、鼻からも息が抜けている状態。
  • [ ̚ ] 無開放: 息をせき止めた後、そのまま解放せずに終わる状態。
  • [ʰ] 帯気: 破裂した直後に、強く息を吐き出す状態。
  • [ ̥ ] または [ ̊ ] 無声化: 本来は声帯が震える音なのに、強い息の影響などで震えが消えた状態。
  • [ ̪ ] 歯音化: 舌を当てる位置が、歯茎から「歯の裏」へ前進した状態。
  • [ ̟ ] 前へ / [ ̠ ] 後ろへ: 周りの音の影響で、舌の位置が本来よりも少し前後にズレている状態。
  • [ ̩ ] 音節主音化: 母音がないのに、子音だけでその音節の中心(核)を作っている状態。
  • [ː] 長音化: 音が通常よりも長く引き伸ばされている状態。
  • [ ɾ ] 弾き音: 舌先が上あごを一瞬だけ弾く音。
  • [ ʔ ] 声門破裂音: 喉の奥(声帯)をピタッと閉じて息をせき止める音。
  • [ ⁿ ] 鼻腔開放: 口の中は閉じたまま、鼻の通り道を開いて息をフッと解放する状態。