Versant 初受験 — GSE 58(B1+)の結果と振り返り
Versant by Pearson English Speaking and Listening Test を初めて受けました。Overall 58 / Speaking 50 / Listening 66 という結果と今後のこと、受験の前提やパートごとの感想、受けてみて思ったことを残しました
Versant(Versant by Pearson English Speaking and Listening Test)を初めて受けました。
結果は次のとおりです。
- Overall GSE Score: 58(CEFR B1+)
- Speaking: 50(CEFR B1)
- Listening: 66(CEFR B2)
単語や文章はわかりやすかったので、理解面は少し上振れ。スピーキングは質問の一部を聞き逃してパニックになったので、少し下振れ。全体としては上手くいったほうだと思っていて、今の自分の実力とかなり合っている結果だと感じています。
リスニング66とスピーキング50の差は、「意味はわかるけれど、適切な言葉を素早く取り出して話すことはまだできない」という今の課題をそのまま表しているのだと思います。
この記事では、結果のあとに受験の前提や試験の感想、今後のことを書いて、最後に受けてみて思ったことを雑多に記載しています。
受験の前提
これまでの学習と試験
今年から英語の勉強を本格的にやり直し始めました。
- 5月末: 英検準1級に合格(スピーキングはぎりぎり合格ライン)
- 9月5日: TOEIC L&R 935点(かなり上振れで、実感としては800点台半ばくらい)
リスニングとリーディングは、推測も含めてなんとか理解できる力が、スピーキングに比べると相対的にはあるのかなと思っています。
一方でスピーキングは、今年に入るまでほとんど練習したことがありませんでした。オンライン英会話もほぼやったことがなく、学習はインプット中心です。今年に入ってから『英語のハノン』や瞬間英作文など基礎的なアウトプット練習は始めましたが、しっかり話す練習をしているわけではありません。
思っていることがなかなか口から出てこないので、話すこと自体もまだ楽しいと感じられる段階ではない、というのが現状です。
英検準1級のスピーキングについて
これまで唯一受けたスピーキングの試験が英検準1級でした。英検準1級はCEFRだとB2相当とされますが、自分の実感としてはB1くらいかなという印象でした。
英検準1級の面接は、使う語彙は難しめですが、話の流れや使うパターンはある程度限られています。型を準備しておいて、そこに自分の考えを当てはめてアウトプットする形になりやすいので、総合的なスピーキング力を見るには、測れるスキルがやや限定的だと感じていました。
なぜ Versant を受けたのか
TORAbit さんの「日経Versantキャンペーン」で、X に「#Versantチャレンジ」を付けて学習内容を3回投稿すると Versant を1回分受験できるということで、スピーキングは苦手ですが気持ちを奮い立たせて受けてみました。
今回は点数を狙うというより、現状の位置確認が目的です。
対策としてやったこと
対策はかなり軽めです。
- 今月に入ってから、YouTube で見つけた模試を4回ほどやって形式を把握した
- そのうち1回は旧形式だった
- 書籍は買っていない
- スコアアップのための対策動画なども見ていない
実際の試験では、最後の意見を述べるパートの問われ方が模試とは違っていたりもしました。
対策しすぎて本来の力より伸びたわけでもなく、形式がわからなくてひどい結果になったわけでもなく、形式と所要時間だけ把握した上で受けられたので、実力テストとしてはちゃんと機能したのではないかと思っています。
試験の形式と感想
形式
試験の詳細は公式ガイドにまとまっています。
- Versant by Pearson English Speaking and Listening Test Official Test Guide(PDF)
- Versant 受験者向け準備ページ(デモあり)
構成はざっくり次の6パートです。
- Part A: 質問に単語や短いフレーズで答える
- Part B: 聞いた文をそのまま繰り返す
- Part C: 会話を聞いて質問に答える
- Part D: 文章を聞いて質問に答える
- Part E: 文章を聞いて自分の言葉で再現する
- Part F: 質問に対して意見を述べる
公式の試験時間は17分ほどで、準備を含めても20分くらいで終わります。気合いを入れすぎなくても気軽に受けられるのは良いところだと思いました。
音として理解して、音としてアウトプットする、というこれまであまりやってこなかった活動が中心なので、なかなか面白い試験でした。
初受験で戸惑ったこと
実際の試験は初めてだったので、YouTube の模試とはボタン操作が違い、どのタイミングから話し始めればいいのかが最初はよくわかりませんでした。少し手間取りましたが、初回としてはそこまで大きな影響はなかったと思います。
Part A(短い答え)
比較的わかる語彙が多く、知らない単語はほとんど出てきませんでした。単語だけで答えればいい問題は、正答率が比較的高かったのではないかと思います。
Part B(リピート)
もともと苦手なパートです。
聞き慣れていないアクセントになると急に何を言っているのかわからなくなり、それを考えているうちに文の構造自体も見失ってしまいました。
簡単な文法・単語で、かつ聞き慣れたアクセントなら頭に残せそうな文でも、単語・文法・アクセント・スピードのどこかで引っかかると、そこから急にできなくなる感覚です。
16問のうち、ちゃんとリピートできたのは2〜3問くらいで、あとは聞き取れた部分を部分的に言えたくらいでした。
Part E(リテル)
内容自体は多少頭に残っていても、それを英語として取り出そうとすると言葉が全然出てきませんでした。能動的に使える語彙や文法のレベルがまだ全然足りていない、という印象です。
Part F(意見)
質問の一部を聞き逃してしまい、だいぶグダグダになりました。スピーキングが少し下振れしたと感じている一番の理由がここです。
フィードバックについて
スコアレポートには「文法構造や語彙の選び方に危うい間違いが多い一方で、ある程度の流暢さがあり、聞き手が理解できるレベルの発話にはなっている」といった内容のフィードバックがありました。
ただ、それが自分の回答に基づく個別の内容なのか、このスコア帯に対する一般的な説明なのかがわかりづらく、学習の参考としてはすごく役に立つのかはよくわかりません。
それでも、リスニングとスピーキングでこれだけ差が出ているのは面白いところだと思います。
今後について
Versant はスコアを上げるのに時間がかかるタイプの試験だと思います。
試験のスコアを上げるために勉強するというよりは、英語力が高まった結果としてスコアに現れる、という使い方を定期的にできたらいいなと思っています。
とはいえ、聞いた英語を頭に保持する力や、難しい表現でなくてもいいので正確で適切な言葉を素早く取り出す力は、英語を使うためには欠かせないものだと思います。Versant の対策としてではなく、こうした力は意識して高めていきたいです。
次に受ける予定は特に決めていませんが、来年あたりに B2+ くらいになれたら嬉しいです。最終的には C1 くらいになれたらいいなと思っています(もちろん、それ以上にできるに越したことはないですが)。
短期間で急に力が伸びるものでもないので、コツコツ続けていこうと思います。
その他振り返り
ここからは、受けてみて思ったことを雑多に書いています。
スピーキングはやっぱり弱い
パートによっては本来答えられたはずなのに失敗した部分もあれば、レベルの割に答えやすい問題に当たった部分もありました。
アウトプットの練習不足は間違いないのですが、もっと壊滅的なスコアが出るかと思っていたので、少し安心しました。一方で、スピーキングはやっぱり弱いなと実感もしています。
知っていることと、瞬時に使えることは別
文法はある程度理解したことがあるはずで、推測と文法と単語から文章を理解する力は多少あると思っています。
ただ、瞬時に言葉を選び、文法を組み立て、文章を作るという部分は、知識というよりも、繰り返し使って経験して熟練させていくものだと感じています。最初は誰でも間違いまくるもので、そこから少しずつ精度とスピードを高めていくしかないのだろうなと思います。
スポーツでいう素振りやフォーム作りのような基礎練習を『英語のハノン』などで毎日やっていますが、今年から始めたことなので、短期間で習得できるものではないというのも実感しているところです。
Versant は回答時間が短いので、頭の中で文法を理解していても、しっかり組み立ててから話す余裕がありません。瞬間的に使えるレベルまで練度を高めることが大事だと改めて感じました。
リピートとワーキングメモリ
リピートができないと、ついワーキングメモリの問題だと考えたくなります。ただ、ワーキングメモリの容量そのものは、極端な個人差があるわけでもなく、トレーニングで大きく伸びるものでもないのではないかと思っています。
今の自分は「ワーキングメモリが小さいからどうしようもない」のではなく、「語彙・文法・発音・文の構造の取り方(チャンクのとらえ方)のひとつひとつに、かなり認知リソースを割いている状態」だと思います。
なので、理解できている・頑張ればできる、というところまで来ているものを、できるだけ少ない労力で処理できるようにしていくことが大事なのかなと考えています。そのために、たくさんの英語に触れたり、自分でも口に出したりして、少しずつ楽にできるようにしていきたいです。
まずは無理なく話せる土台を作る
覚えておくことが得意ではないのもありますが、ぼんやり頭に残せたことでも、それを言葉にしようとすると、慣れたパターンや使いやすい単語がまだあまりないので、すべてを無理やりひねり出すような状態になります。その結果、たどたどしくなったり、文法もわりと間違えたりします。
難しい言葉をどんどん覚えるよりは、簡単なものの繰り返しでもいいので、「ここは大丈夫」と言える無理のない土台をまず作っておきたいです。そうしないとすべてが不安な状態になってしまうので、安定した土台がほしいなと思っています。
自然に口から出てきて、使い方も正しい表現が、自分の感覚とセットで少しずつストックされていく状態を目指していきたいです。
アクセントの幅は、まず軸を作ってから
聞き慣れないアクセントに弱いのは自覚していて、今のところ幅広さは足りていません。
普段聞いているものを振り返ると、好みのコンテンツはアメリカ英語が中心で、ときどきイギリス英語やオーストラリア英語が混ざる程度です。TOEIC の教材ではそこにカナダ英語も加わってバランスよく聞けますが、それ以外のアクセントは(Netflix で多少触れるくらいで)ほとんど聞いていません。
今は自分の基礎を身につけるために、アメリカ英語の発音を中心に学んでいます。早い段階で幅広い発音を聞くと、単語やフレーズを頭の中のカタカナ発音として受け取ってしまう癖がつきやすいと考えているので、まずは自分がターゲットにしている英語の音に慣れることを優先しています。
この方針自体は変えるつもりはありません。ただ、今回の試験で、聞き慣れたアクセント以外でも受け入れられる柔軟性は、実際に英語を使う場面では欠かせないものだと改めて気付かされました。自分の中でしっかりした発音の軸ができてきたら、その柔軟性を高めることも意識していきたいです。
意見を述べるパートについて
自分の意見を述べるタイプの問題は、今のところうまくできません。練習してパターンを作れば多少は上手くなるかもしれませんが、今のところは無理やり意見をひねり出す部分にはあまり興味がわかないなと感じています。
スピーキング・リスニングの試験を受けてみて
自分の好みだけで勉強したり、特定の試験だけを対策したりすると、どうしてもその試験で点数を取るための勉強になりがちです。
- TOEIC は、ナレーターの声や英語の種類がある程度決まっていて、文章の内容や幅にも特徴がある
- 英検のスピーキングは、前述のとおり型やパターンを覚えればなんとかなる面もある
それとは別に、英語で質問されて英語で答える、言われたことをそのまま繰り返す、といった形式で、スピーキングの幅広い能力をチェックできる試験として、受けてみて良かったと思っています。Versant である必要があるかはわかりませんし、IELTS や TOEFL など他の選択肢もあると思います。
もちろん Versant も、特化した対策をすれば Versant 用の能力が中心に伸びていくと思います。ただ、それはどの試験でも同じです。
いろいろな試験を受けることで身につくスキルの幅は広がりますし、好きなように英語を楽しむだけでは身につきにくい能力を鍛えるトレーニングとして、試験を活用するのもありだと思います。
ただしその場合、スコアの意味は「実力測定としての結果」というよりも「その試験で測定される能力をどこまで高められたか」に寄っていきます。スコアをどう受け止めるかには少し注意が必要だと思います。
欲を言えば、実際の回答内容に基づいたフィードバックや、より具体的なアドバイスがあると嬉しいのですが、テストとしてはスコアで現状を見せてくれるだけでも十分で、良い機会になりました。